大学中退で就職した時の給料平均は?大卒以上の高収入な7職種とは?
大学中退した私でも就職できた方法とは?
大学中退という学歴で就職した場合、給料はどれくらいもらえるのか気になる所です。「せっかく大学まで進学できたのに、やむを得ない事情で中退したら、就職時の給料が下げられるなんて、納得できない!」と不満な方も多いのも事実です。
親にも申し訳ないので、「できれば、大学まで行ったことを加味した給料をもらいたい…」と思うのも自然なことです。
現在28歳。大学中退後、しばらくニート期間を過ごして短期バイトや派遣を続けていくが、25~26歳まで再度ニートになってしまう。合計2年のニート歴がある中、26歳で就活を始め、秘書の正社員として就職する。同じ悩みを持つ方に向けて役に立つ情報を配信中。
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結論からいうと、大学中退してしまうと最終学歴が「高卒」になってしまうので、大卒以上の給料をもらうことは難しいです。ただ、就活の仕方や就職先の選び方によっては、大卒並みの給料をもらうことも可能です。
大卒以上の給料がもらえたわけではありませんが、努力の甲斐もあって、限りなく大卒並みの給料に近い初任給をもらうことができました。
このページでは、私の経験も踏まえて、大学中退者が正社員就職した場合の平均給料や、大卒以上の高収入の給料がもらえる仕事について、できるだけ給料を高くする就活方法も含めて、詳しく解説していきます。
大学中退で就職した場合の給料はいくら?平均給料を調べてみた
冒頭でも少し触れましたが、大学を中退すると、辞めた時点で最終学歴が「高卒」となってしまいます。就活する際、気になる求人を見つけた時に、求人票の概要や条件をみてみると「大卒以上可」「高卒以上可」という条件は見つかりますが、「大学中退以上可」というのはありません。
履歴書には「〇〇大学 中途退学」と記載するので、事実上は大学に行ったことを伝えることはできますが、応募段階で「大卒以上」や「高卒以上」に区切られてしまいます。ということは、大学中退した時点で、「大卒以上可」「短大・専門卒以上可」などの求人に応募することはできないので、必然的に「高卒以上可」の給料水準になってしまいます。
では、大学中退という学歴で求人に応募した場合、就職時の給料(初任給)はどうなるのか、大卒や短大・高専卒と比較してどれくらい差があるのかを、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査(平成30年)」を参考に、調べてみました。
【平成30年度】最終学歴別初任給(男女別) | |||
---|---|---|---|
男性 | 大学院(修士) | 24.0 万 | |
大学卒 | 21.0 万 | ||
高専・短大卒 | 18.3 万 | ||
高校卒 | 16.7 万 | ||
女性 | 大学院(修士) | 23.4 万 | |
大学卒 | 20.3 万 | ||
高専・短大卒 | 18.0 万 | ||
高校卒 | 16.2 万 |
※参考:厚生労働省「賃金構造基本統計調査(平成30年)」
ただ、この数字は、あくまでも「平均値」なので、働く地域や選ぶ職種によって、給料がこの数字よりも高くも低くもなります。
実際、国立教育政策研究所の浜中義隆(総括研究官)さんに言わせると、「大卒でも高卒より低い給料になることもある」と解説しています。
※引用:中央公論新社「大学の実力2019」5ページ
大卒・高卒の給料平均(都道府県別)
厚生労働省の賃金構造基本統計調査(平成30年)を参考に、都道府県別に大卒と高卒の平均給料を調べて、表にしてみてました。ちなみに、東京が一番給料水準が高く、大卒の平均給料が21.6万、高卒の平均給料が17.5万でした。
都道府県 | 大学卒 (初任給) | 高校卒 (初任給) |
---|---|---|
北海道 | 19.8 万 | 15.9 万 |
青森 | 18.9 万 | 15.2 万 |
岩手 | 19.2 万 | 14.9 万 |
宮城 | 19.7 万 | 15.8 万 |
秋田 | 18.0 万 | 14.7 万 |
山形 | 19.5 万 | 15.2 万 |
福島 | 18.8 万 | 15.9 万 |
茨城 | 20.3 万 | 16.8 万 |
栃木 | 20.3 万 | 16.3 万 |
群馬 | 18.9 万 | 16.6 万 |
埼玉 | 21.0 万 | 17.0 万 |
千葉 | 20.5 万 | 17.1 万 |
東京 | 21.6 万 | 17.5 万 |
神奈川 | 21.0 万 | 17.4 万 |
新潟 | 19.4 万 | 16.5 万 |
富山 | 20.2 万 | 16.4 万 |
石川 | 19.6 万 | 16.8 万 |
福井 | 20.0 万 | 16.7 万 |
山梨 | 20.1 万 | 16.7 万 |
長野 | 19.8 万 | 16.4 万 |
岐阜 | 20.0 万 | 16.7 万 |
静岡 | 20.6 万 | 17.1 万 |
愛知 | 20.7 万 | 16.8 万 |
三重 | 20.4 万 | 16.4 万 |
滋賀 | 20.1 万 | 16.8 万 |
京都 | 20.8 万 | 17.0 万 |
大阪 | 20.8 万 | 17.0 万 |
兵庫 | 20.4 万 | 16.8 万 |
奈良 | 20.4 万 | 16.6 万 |
和歌山 | 19.8 万 | 16.0 万 |
鳥取 | 18.5 万 | 15.3 万 |
島根 | 19.0 万 | 15.6 万 |
岡山 | 20.4 万 | 16.6 万 |
広島 | 20.5 万 | 16.7 万 |
山口 | 19.6 万 | 16.5 万 |
徳島 | 19.7 万 | 15.5 万 |
香川 | 20.3 万 | 16.7 万 |
愛媛 | 19.1 万 | 16.1 万 |
高知 | 19.2 万 | 15.4 万 |
福岡 | 20.2 万 | 16.2 万 |
佐賀 | 19.3 万 | 15.6 万 |
長崎 | 19.1 万 | 14.9 万 |
熊本 | 19.1 万 | 15.7 万 |
大分 | 18.9 万 | 15.6 万 |
宮崎 | 19.1 万 | 15.4 万 |
鹿児島 | 19.7 万 | 15.4 万 |
沖縄 | 18.1 万 | 14.8 万 |
※参考:厚生労働省「賃金構造基本統計調査(平成30年)」
大学中退でも大卒以上の給料をもらうことは可能?
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査(平成30年)」によると、大卒者の平均給料は20.7万円ということがわかっています。
下の表をみてもらうとわかりますが、大学中退者(高卒者)の平均給料は16.5万で、初任給で月15~18万のゾーンで給料をもらっている人が多いです。
※参考:厚生労働省「賃金構造基本統計調査(平成30年)」
大卒並みかそれ以上の給料をもらっている大学中退者(高卒)の割合をみてみると、給料が20万円以上の人は2.7%いることがわかります。
後述しますが、できるだけ給料の高い状態で就職したいということであれば、ハローワークや求人サイトよりも、就職エージェントを通して応募した方が、年収の交渉をしてくれます。私も大学中退という経歴がありましたが、実際に就職先が決まったのは就職エージェントを通してです。
これまで数多くの就職エージェントを利用してきましたが、その中でも一番「第二新卒エージェントneo」が良かったです。こちらのランキングも参考にしてみてください。

大学中退でも高収入・高年収が期待できる7つの就職先とは?
一番気になる点だと思いますが、「大学中退で大卒以上の給料をもらえる高収入・高年収の仕事は何?」という点。
ただ、高収入の求人が全くなかったわけではなく、一部の仕事に関しては給料的にも高かったです。例えば、大学中退でも応募できる就職先で、以下の7つが高収入の仕事として挙げられます。
(2)施工管理
(3)建築系
(4)歯科助手
(5)ITサポート事務
(6)IT系(プログラマ、インフラエンジニア等)
(7)公務員(大卒程度試験)
【大学中退でも高収入な就職先1】営業系(不動産、金融、証券など)
売上を上げると、インセンティブ報酬といって、基本給にプラスαで出来高として給料に上乗せされます。営業職に関しては、本当に学歴や経歴関係なく、実力主義的な面があるので、売るのが上手な人ほど出世するし、高収入になります。
ただ、仕事の特性上、結構ノルマ主義的な部分も強く、特に不動産や金融、証券系は実績を出している人は高収入になりますが、出せないと上からの圧力がものすごく強いと言われています。一方で、稼げる営業マンは年収1000万越えも珍しくありません。
【大学中退でも高収入な就職先2】施工管理
例えば、大きなショッピングモールのイオンを建設する際、建物を建てる大工さんなどの工事現場の人達が必要です。その時、イオン側としては「半年後の1月1日に新店舗をオープンさせたいから、必ず1年後には準備できるようにしたい」という考えがあります。
半年後に大きなショッピングモールを作るのはかなり急がないといけませんが、建築会社としてはもらえるお金もいいので、「間に合わせるので、やらせてください!」となりますが、建設する工事現場の人たちがダラダラやってしまうと納期に間に合わないので、スケジュールや職人さん達を管理する「施工管理者」が必要になります。
施工管理の人は、工事現場とイオン側、建築会社の板挟みに合いながら、1日、1週間、1ヵ月ベースの計画をみながら、スケジュールや人の管理をするので、結構ストレスのかかる仕事でもあります。
ただ、最近では建築の需要があるにも関わらず、建築業界全体が極度の人手不足になっていて、施工管理者のようなスキルを持っている人は、どの会社でも引っ張りだこです。
資格を持っていなくても、入社後に会社が研修で資格を取らせてくれる企業がほとんどです。しかも、施工管理はかなりの高収入で、40代くらいで、年収700~800万も珍しくありません。
施工管理の仕事は、体力仕事や力仕事と勘違いされて、毛嫌いする人もいますが、コミュニケーションに長けていて、調整力があれば、女性でも向いている仕事だと言えます。
【大学中退でも高収入な就職先3】建築系
建設系の仕事と聞くと、「体力が必要だし、自分には厳しいかも…」と考える人も多いですが、実は、大工さんのような建築士以外で、設計建築士、電気工事技師、測量士などの仕事もあります。
大手ゼネコンに入社できると、20代で年収500万ほどいくほど稼げる仕事ですが、大学中退からスーパーゼネコンの大手企業(大林組、鹿島建設、大成建設、清水建設、竹中工務店)に入るのは難しので、現実的にいくと準大手(長谷工コーポレーション・五洋建設・三井住友建設)や中小ゼネコンを狙うのが無難です。
【大学中退でも高収入な就職先4】歯科助手
歯科助手は、歯医者さんの助手をしたり、事務をやったりする仕事で、普通の一般事務よりは高収入な仕事と言えます。平均給料は17~22万ほどなので、場合によっては大卒以上の高収入を狙えます。
歯科助手になるには、資格は必要ありませんが、入社後に「医療事務管理士(歯科)」などの資格を取れば、その後の転職で困ることはありません。
歯科助手は、他の高収入の仕事と比べると給料は低い方ですが、女性で「技術職よりは、できれば事務系がいいな…」と考えている人にとっては向いている仕事と言えます。
【大学中退でも高収入な就職先5】ITサポート事務
「ITサポート事務」は、少し歯科助手のイメージに近いですが、IT企業の事務のお仕事で、初任給は20万ほどと高くはありませんが、それでも大卒並みの給料なので、高収入な仕事の1つと言えます。
ITサポ―ト事務の仕事内容についてですが、電話営業やフロント接客、電話対応、データ・伝票整理、請求書・領収書発行などの一般事務に加えて、インフラエンジニアなどの行う簡単な作業のサポートなどのIT系の仕事も関わってきます。
「未経験でパソコンも得意じゃないのに無理!」と思うかもしれませんが、未経験でもゼロから学べるような研修を整えている企業がほとんどなので、「IT系の仕事には興味はあるけど、事務系の方がどちらかというとやってみたい」という人に向いています。
【大学中退でも高収入な就職先6】IT系(プログラマ、インフラエンジニア等)
IT職とは、アプリやウェブサイト、システムなどを開発する「プログラマ・SE職」と、その作られたアプリやシステムを保守・運用する「インフラエンジニア」という仕事に分かれます。
例えば、車をゼロから作るにはエンジニアが必要ですが、車が使えるようになると定期的にメインテナンスが必要になるので、車が安全に走り続けるためには整備士も必要です。
IT系の仕事はどちらも、初任給は月20~22万ほどで、初年度の年収は250~300万と大卒並みではありますが、IT系の良い所は給料の伸び率が高いという点です。
IT業界は、他の業界と比べても最も伸びている産業と言われていて、プログラマやインフラエンジニアが極度に不足している状態です。IT業界は動くお金も大きいので、スキルを着実に身につけていけば年収1000万越えのエンジニアも珍しくありません。
デメリットとしては、IT職は東京に集中しているので、他の地域ではIT求人は少ないです。大阪であればギリギリありますが、高収入のIT系を目指すのであれば、東京もしくは神奈川辺りの求人を狙うのがオススメです。
【大学中退でも高収入な就職先7】公務員(大卒程度試験)
あまり知られていませんが、公務員試験は学歴や職歴など、一切関係なく、受験年齢に達していれば誰でも受験することができます。
公務員試験は大きく分けると「高卒程度試験(初級)」、「短大・専門卒程度試験(中級)」「大卒程度試験(上級)」の3つに分かれますが、最終学歴が高卒でも「大卒程度試験」を受けることができます。
「大卒程度試験」の意味は、大学の学力程度の試験という意味合いなので、大学に進学できた実績があるのであれば合格することも可能です。
「公務員で大卒並みの給料にしたい…」ということであれば、試験勉強は結構大変ですが、公務員試験に挑戦してみるのも1つの進路と言えます。
大学中退者はどう就活するのがベスト?求人はどうやって探すの?
ここからは私の経験談になりますが、大学中退者の就活方法としては主に3つ、ハローワーク・求人サイト・就職エージェントを利用する方法があります。
大学を辞めた後、新卒者にも転職者にもどちらにも当てはまらず、どうやって就活すればいいのかわからなかったので、最初に頼ったのは求人サイトでした。
リクナビやマイナビなどの新卒向けサイトや、リクナビNEXTやマイナビ転職、DODAなどの転職向けサイト等、知っている限りのサイトに登録して就活を進めてみましたが、どれも書類選考落ちで、運よく面接まで行けても、周りがピカピカの新卒生だったり、正社員経験の豊富な転職者がライバルだったりしたため、不採用の連続でした。
次に利用したのはハローワークでした。ネットでハローワークについて調べてみると「ブラック求人が多い」という情報が多く、個人的にもなんだか説教されそうで、利用するのを敬遠していましたが、背に腹は代えられないので、一応利用してみました。
結論から言うと、ハローワークの担当者は悪くはありませんでしたが、求人数が莫大で選ぶのがかなり大変だと感じました。ネットに書いてある通り、確かにブラックっぽい求人はチラホラみかけたので、ハローワークを利用する場合は、「求人を選ぶスキルが高くないと難しいかな…」と感じたのが、私の正直な本音です。
大学中退者の就活方法3つ目の「就職エージェント」に関してですが、私の場合、就職エージェントを通して就職先が見つかりました。
エージェントにも色々種類がありますが、リクルートエージェントやマイナビエージェント、DODAエージェントなどの転職系エージェントはオススメできません。
私のように大学中退という学歴であれば、既卒・第二新卒向けのエージェントを利用した方が、内定も取りやすいですし、その方がまともな企業を紹介してもらえます。

ちなみに、個人的に一番良かったのは「第二新卒エージェントneo」で、これらのエージェントの中では頭1つ飛びぬけて良かったかなと感じます。第二新卒エージェントneoは、上で紹介したような高収入の求人も紹介してくれますし、ブラック企業はしっかり排除してくれているので、求人の質的には他のエージェントよりも良質でした。
あと、エージェントの方が給料の交渉も代わりにやってくれるので、「大学中退という経歴であれば、短大・専門卒基準の初任給にできないか交渉してみますね」という感じで就職先に行ってくれるのは、大きなメリットと言えます。
大学中退という経歴がある場合は、ハローワークと第二新卒エージェントneoのようなエージェントを併用して進めた方が、就職率は間違いなく高くなります。
大学中退後に就活を始めて、内定がもらえなかった場合、「中退後、ニート期間がある」と面接官に判断されることが多いので、それよりも中退予定ということで就活を進めて、就職先が決まってから中退手続きを進めるという方が、一番リスクが少なくてオススメです。
