大学中退から専門学校に編入、その後就職という進路は実際どうよ?
大学中退した私でも就職できた方法とは?
元々やりたい事があって入学した大学も、通ってみると「思っていたのと違う…」と感じてしまい、大学中退を考える人も少なくありません。大学に通う意味が分からなくなってくる中で、別の違うやりたいことが出てきた場合などは特に、このまま高い学費を払い続けて大学を卒業するよりも、専門学校に通った方がスキルも身につくので、無理して大学に通い続ける必要はないはずです。
ただ、「大学中退後に専門学校に入学して、卒業後の就活は不利にならないか?」「大学中退して専門学校に移るという学歴が残ると、面接でマイナスイメージにならないか?」という部分がどうしても気になってしまいます。
現在28歳。大学中退後、しばらくニート期間を過ごして短期バイトや派遣のフリーター生活を続けていくが、25~26歳まで再度ニートになってしまう。合計2年のニート歴がある中、26歳で就活を始め、某外資系大手の正社員として就職する。同じ悩みを持つ方に向けて役に立つ情報を配信中。
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もし、保育士や電気工事士、美容師、建築士、税理士など、専門学校での単位が必要な職業を目指しているということであれば、専門学校に通うメリットは大きいです。ただ、これらの専門職への就職を目指していなくて、専門学校卒業後に民間企業への就職を希望しているのであれば、大学中退後に専門学校に通い直すという進路はオススメしません。
このページでは、大学中退後の進路をより幅広く、就職に有利にしていくために、どんな進路の選択肢があるのか、専門学校に通い直す場合のメリットやデメリット等を、私の経験を基にご紹介していきます。
大学中退から専門学校に入学、その後就職という進路は現実的?
大学中退後に専門学校に通い、卒業後に就職するという進路は現実的なのか気になる所です。では、実際、「大学中退→専門学校卒業→就職」という進路は、就活に不利にならないのか?実際に就職できるのか?私の経験を基にお答えしてきます。
まず、大学中退後に専門学校に通った場合、専門学校の卒業時には周りの就活生と比べると年齢的に不利になってしまい、就活には不利になります。例えば、大学3年次の夏に中退して次の4月に2年制の専門学校に入学した場合、専門学校卒業時の年齢は少なくとも25歳です。周りの専門学校を卒業した就活生はみんな20~21歳ほど。
就活時に、周りの就活生以上の高いスキルや資格を持っていれば話は別ですが、年齢相応のスキルがなければ、就活は確実に不利になるので、その点は覚悟しなければいけません。大学1年次の早い段階で中退して、専門学校に入学すれば、まだ1年の差しかないので、こういった場合であれば、就職には不利になりづらいです。
大学を超短期で中退して、専門学校に入学するのであれば、就活時、履歴書には敢えて、その大学に入学したことは書かずに、1浪して専門学校に入学した旨だけを書く裏技もあるので、大学1年次での中退という負の経歴は面接で突っ込まれることもありません。
今後の進路を考えていく際のポイントとしては、専門学校卒業時に周りの就活生と比べて年齢が1歳違う程度であれば、それほど問題視する必要はありませんが、年齢差が2歳以上になってくると、就活では不利になってくるので、そこは判断のポイントだと感じます。
大学3年次に中退して専門学校への編入は可能?1年次からスタート?単位は移せないの?
大学3年次での中退の場合、大学に通わなくなっていたとしても、1年・2年次に取得していた単位は少なからずあるはず。中退後に専門学校に取得した単位を移行させて、編入という形で入学することは可能なのでしょうか?
実は、専門学校と4年制大学の違いは大きく、単位の考え方も違うので、大学で取得した単位であっても全ては移行させることができないと考えた方がいいでしょう。例えば「一般教養の単位のみ認める」という専門学校だと、「残りの専門教科の単位は全てウチで受講してください」という流れになるので、大学3年まで通っていたとしても、専門学校は1年次からのスタートということも珍しくありません。
「大学の単位をどれだけ専門学校に移せるか」というのは各専門学校で違うので、もし専門学校への編入を考えているのであれば、事前にその専門学校に問い合わせておくことをお勧めします。
大学中退→専門学校卒業の最終学歴はどうなる?
例えば、私立難関大学に入学していて、その大学を中退、その後専門学校に通い直して卒業した場合の最終学歴はどうなるのでしょうか?
結論から言うと、「大学中退→専門学校卒業」の最終学歴は「専門学校卒業」という扱いになるので、難関大に入学できたという実績はあまり意味がなくなってしまいます。
大学中退→専門学校に進学した場合のメリット・デメリット
大学中退→専門学校の5つのメリット
☑ 保育士や電気工事士、美容師、建築士、税理士などの専門資格が取れる
☑ 無理に大学に通うという悩みがなくなる
☑ 大学で無駄な時間を過ごさないくて良い
☑ 興味のあることをを勉強できる
大学中退→専門学校の7つのデメリット
☑ 新たに専門学校の学費がかかる
☑ 高卒(新卒)の人たちがいて馴染めない
☑ 親に反対される
☑ 卒業時の年齢が周りよりも高いので就活に不利
☑ 専門学校でも中退すると2度の中退歴がついて就職は困難に
☑ 専門学校申請に高校の調査書が必要なので、高校の担任に遭遇する可能性がある
大学中退すると奨学金の打ち切りになって、専門学校への学費に充てることができない
「大学中退→専門学校」という進路で、一番のデメリットは「年齢的に就活が不利になる」という部分に見えますが、実はそうではなく、どちらかというと「大学時の奨学金が打ち切られる」という方がより深刻です。
大学中退すると、これまで借りていた奨学金が止まってしまうので、そのお金をそのまま専門学校の学費に充てることができません。つまり、専門学校に通い直す場合は、新たに奨学金を借り直す必要が出てくるという事です。
大学中退すると奨学金はストップしますが、専門学校に通うという理由であれば、奨学金の返済を待ってもらえる制度もあるので、「すぐに返済が必要になる!」ということはないので、その点は安心できます。ただ、専門学校に通うための奨学金の審査が新たに許されるかどうかは、審査機関の判断になるので、奨学金が借りられなければ、専門学校に通い直すことも難しくなります。
専門学校よりもおすすめは職業訓練校に通うこと!?
専門学校に通い直すという進路を選んだ場合、ネットでよく目にするのは「大原」などの専門学校だと思いますが、個人的には、すぐに専門学校に通うと決めるのではなく、ハローワークが紹介している職業訓練校も視野に入れてもいいかなと感じます。
専門学校はカリキュラムの質もしっかりしている所も多いですが、一番のデメリットは学費が高い点です。入学金も高く、年間の学費も100万ほどする専門学校も珍しくありません。
一方で、ハローワークが斡旋している職業訓練校は、学費もそれほど高くはなく、「専門資格を取得したい!」という目的で専門学校に通うことを検討しているのであれば、職業訓練校でも専門学校と同じ資格が取れることがほとんどなので、一度最寄りのハローワークに相談してみることをおすすめします。
一点、職業訓練校のデメリットですが、職業訓練校の受講生の中には、職業訓練給付金(失業した人が受講した時に出る給付金)を目的に通っている人も少なくないので、周りの受講生のモチベーションが著しく低いことがあります。
「大学中退→専門学校」よりもオススメな2つの進路
「大学中退→専門学校」という進路は、進むべき進路(保育士になりたい!等…)がはっきりしていない限りはオススメしません。特に、卒業後に一般企業への就職を考えているのであれば、尚更です。
それよりも、個人的には以下の2つの進路の方が、「大学中退→専門学校」という進路を選ぶよりも就職には強いと考えています。
(2) 大学中退後に就活して就職
(1) 大学中退→通信制大学に編入→大卒資格の取得
もし、大学中退を検討している理由が、
「今学んでいる内容に意味を感じない…」
「もっと将来性のあることを勉強したい…」
「早く就職に役立つようなスキルを身につけたい…」
「大学の人間関係がとにかくキツイ…」
ということであれば、無理に専門学校に通い直す必要はありません。専門学校に通い直しても、学費は高いですし、学歴的にも「専門卒」となってしまいます。また、これまでせっかく取得した単位も、専門学校への編入だと、単位移行をあまり認めてくれない専門学校も多いので、結果、1年次からスタートすることとなって、これまで大学に通っていた学費分も無駄になってしまいます。
それよりも、今持っている単位を最大62単位まで移行できる、通信制大学への編入を検討した方が、これまでかけてきたお金も無駄にならず、通学して卒業した時と全く同じ「大卒資格」も取れるので、親も説得しやすいです。
通信制大学だと、通学する必要が一切なく、誰とも会うこともないので、人間関係で悩む必要がありません。インターネットに繋げる環境があれば、場所を選ばずどこでも勉強することができて、単位取得ができます。現在の状況を変えて、大卒資格が取れるのであれば、通信制大学に通う方が、一番最善の方法だと言えます。
また、年間に4回ほど入学時期が設けられているので、ブランクを空けることなく卒業出来て、年齢的に就活が不利になることもありません。
通信制大学は1単位から受講できて、年間にかかる授業料も相場は16~20万ほどなので、3年次編入場合に卒業までかかる授業料は32万~40万ほどと全く高くないのが特徴です。
(2) 大学中退後に就活して就職
経済的に通信制大学に通うことが難しいようであれば、大学中退後にそのまま就活して就職するという進路もいいでしょう。
平成29年の厚生労働省の調査によると、学歴別の初任給の平均値は以下のように試算されています。
【専門、短大卒の平均初任給】 約17万9,200円
【大学中退(高卒)の平均初任給】 約16万2,100円
大学中退者(高卒)と大卒者の給料と比べると大差がありますが、専門卒・短大卒の給料と比較すると、1万7,100円しか給料が変わらないことがわかります。専門学校に通う学費を考えると、元が取れるかどうかは微妙だと言えます。
専門学校に通って「専門卒」という学歴になれても、給与の差的に、元が取れないのであれば、大学中退後に「高卒」として就活して就職するのも一つの良い選択肢だと言えます。
大学中退という学歴のまま、新卒生と同じように就活しても書類や面接で落とされやすいのは事実ですが、ただ、就活方法を工夫すれば、正社員として就職することは難しくないですし、裏技を使えば「大学中退」という経歴を「専門卒・短大卒」扱いにしてくれる方法もあります。
大学中退後、できるだけ早めに就職したいという場合は、中退前に就活して内定をもらってから中退手続きを進めた方が、ブランクが空くことがないのでお勧めです。これから就活を始めるのであれば、大学中退向けの就職エージェントを利用した方が、私の経験上、最も就職成功率が高く、求人の質や待遇面も良かったです。
また、就職エージェントであれば、交渉次第で「大学中退」という経歴を「専門卒・短大卒」扱いにしてくれたりするので、利用するメリットは大きいと感じます。

厚生労働省‐「平成29年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況:1学歴別にみた初任給」
専門学校より通信制大学で大卒資格を取得した方が就職には強い!?
大学中退後に「高卒」として就活するよりも、「大卒資格」を持っていた方が間違いなく就職には強いです。普通の大学と比べると通信制大学は見劣りしますが、もし、通信制大学に通うという進路を選ぶのであれば、ただ「大卒資格」のために通うのではなく、もっと意義のある「将来性のあるスキルを身につける」ための勉強をしてから「大卒資格」を狙う方が、より就職には強い進路だと言えます。
なので、「大卒資格を取るために通信制大学に通おうかな」と考えていたとしても、あんなつまらない授業をずっと受講しておくことは難しいので、結果、続かず、意義も感じずに辞めるという事態になりかねません。
・八洲学園大学
・サイバー大学
・大手前大学 通信教育部
もし、「将来性があって、スキルを身につけた状態で卒業したい!」と本気で考えるのであれば、ITエンジニアを目指した方がいいでしょう。今の時代、どの職種・業種であったとしても、ITスキルを持っている人材はかなり重宝されます。
通信制大学卒業という進路を選ぶのであれば、普通の大学を卒業した就活生よりも就活を有利に進められるITスキルを身につけておくことが必要不可欠だと言えます。
そういった意味では、「サイバー大学」が個人的には最も就職に強いと考えています。サイバー大学は2007年にソフトバンクが設立したインターネット大学で、IT系企業が運営している分、授業の内容も飽きさせないような工夫がされているので、卒業率が76.8%と他の通信制大学と比べても高いです。
「サイバー大学」は、今通っている大学からの単位移行も最大62単位まで認めてくれて、しかも「日本学生支援機構」の奨学金申請もできるので、通信制大学の中ではかなり通いやすいと言えます。
学費も今の大学よりも安く、将来性のあるITスキルを身につけながら大卒資格を取得できるという大きなメリットがあるので、専門学校へ通い直すという進路よりも、「サイバー大学」に通うという進路の方が、親も納得してくれやすいと感じます。
特定の期間に申請すれば、通常10万円かかる入学費用も0円になる特典もあるので、まずは資料請求してみて、カリキュラムやかかる学費、どんなスキルが身につくのか等、調べてみるといいですよ。
大学中退後に就活する場合は…
大学中退後に就活して、正社員への就職を狙う場合は、以下の記事を参考にしてみてください。