大学中退を履歴書に書かないとバレる?失敗しない書き方と退学理由の答え方
大学中退した私でも就職できた方法とは?
大学中退後に就活を始めた時、一番最初につまづくのは履歴書の書き方の部分です。中退歴があると、「忍耐のないヤツだ」「入社してもすぐに辞められてしまいそう」と考えられてしまって、「そう思われるよりは、履歴書に大学中退したことを書かない方が書類選考も通過しやすいのでは?」と中退経験者であれば誰でも考えるものです。
現在28歳。大学中退後、しばらくニート期間を過ごして短期バイトや派遣のフリーター生活を続けていくが、25~26歳まで再度ニートになってしまう。合計2年のニート歴がある中、26歳で就活を始め、某外資系大手の正社員として就職する。同じ悩みを持つ方に向けて役に立つ情報を配信中。
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最近では、大学中退された方から就活に関するご相談が私の質問箱を通して多くいただくようになり、特に履歴書の書き方について悩んでいる方は多いです。
例えば、、、
「中退したことを履歴書に書かないで就職してしまうと、どの段階で職場にバレる?」
「履歴書に中退理由を正直に書くべき?」
「大学中退予定の場合、履歴書にどう書くべき?」
「高認を取ってて大学中退歴もある場合、学歴欄にはどう書くの?」
「大学在学中のアルバイト歴は履歴書に書いた方がいい?」
「違う大学に再入学した時、中退した大学のことを履歴書に書くべき?」
など、それぞれのご状況によっても履歴書のベストな書き方は異なってくるので、「この書き方が王道で、一番良い書き方です!」とは、一概にまとめてアドバイスすることはできません。
また、「大学中退者の履歴書の書き方」とネットで検索しても、
「中退理由は絶対に書かないとダメ!」
「職場に経歴はいずれバレるから、自分の履歴は正直に書くべし!」
「大学中退したことを隠すなんて、マナー違反!!」
と、正論だけを並べているブログや就活サイトをよく見かけますが、実際、「こんなことを聞きたいわけじゃないのに…」「就活が上手くいかないから、受かりやすい履歴書の書き方を知りたいだけなのに…」と感じる人は多いのではないでしょうか?
私は大学中退して、就活に苦しんだからこそ言えますが、時にはグレーゾーンも攻める必要があります。絶対にやってはいけない職歴詐称などももちろんありますが、一番大事な点は、「就職しやすい履歴書の書き方ってどうなの?」という部分。
それを自分の責任で判断して、履歴書の書き方を考えていくような情報発信をしているブログが一つもなかったので、このページでは、グレーゾーンの部分も含めて、「大学中退者の失敗しない履歴書の書き方」をご紹介していきたいと思います。
大学中退歴を履歴書に書かないのはアリ?学歴詐称になる?
「大学中退」という学歴が残ると、面接官から「中退歴があるから、コイツは会社もすぐ辞めそうだな…」という印象を持たれかねません。なので、それよりは大学に通っていたという事実を消してしまって、中退歴を履歴書に書かないで、最終学歴が「高卒」のまま隠し通そうと誰しも考えるものです。
でも、実際に大学中退歴を履歴書に書かないで就活で隠し通すことは可能なのでしょうか?
結論から言うと、大学中退歴を履歴書に書かないで高卒のまま就活を受けても会社にバレることはほぼありません。
それは、大学中退歴を履歴書に書かないと、学歴詐称になるという点です。
履歴書に大学中退したことを書かない時のリスク
大学中退したことを履歴書に書かないで学歴詐称をしてしまうと、最悪の場合、懲戒免職(クビ)になる可能性があります。実際に過去にも学歴を詐称したことによる裁判が何度か行われていて、最終学歴を高くした場合も低くした場合も両方、「重大な経歴詐称」として詐称した求職者の方が負けています。
ただし、求人票に「学歴不問」などの条件が書いてある場合、その職場は学歴を重視していないと判断されるので、「後で学歴詐称したことが判明しても、懲戒処分(クビ)になる理由にはならない」という裁判例もあるようです。
とはいえ、学歴詐称が会社に判明した時点で、その会社からの信頼を失うことになりますし、学歴詐称をする一番のリスクは「その会社にいづらくなる」ことだと言えます。
独立行政法人労働政策研究・研修機構「【服務規律・懲戒制度等】経歴詐称」
履歴書の学歴詐称が職場にバレるタイミングとは?
と、これまでは「大学中退歴を履歴書に書かないと学歴詐称になって辞めさせられる可能性があるよ!」という内容でしたが、そんな情報を知りたいわけではないと思うので、上のリスクも承知の上で、中退歴を履歴書に書かないで就職した場合、どんなタイミングで会社にバレるのかを解説していきます。
学歴の詐称というのはほとんどバレることはありませんが、逆に言うと、可能性は低いけどバレる可能性もあります。最近、学歴詐称が発覚した芸能人の「ショーン・K」もアメリカのテンプル大学を卒業していたという嘘をついていたわけですが、週刊文春砲によって嘘がバレてしまいました。
このように、周りの密告やガサ入れによって学歴詐称がバレるケースがほとんどで、実際は自分から言わない限りはほとんどバレることはありません。上の例は、芸能人のケースなので、一般人である私たちには週刊文春とは無縁ですが、実際にあり得る話で言うと、職場に同じ学校だった人がいて、会話の中で学歴詐称がバレてしまうという可能性は十分あり得ます。
他にも、新卒採用の場合、企業によっては大学の卒業証明書の提出を求められることがあるので、大学中退なのに「大卒以上」と履歴書に書いて就活する場合には注意が必要です。
最近では、求職者のSNSを事前に調べて、どんな人柄なのかをチェックする会社もあるので、例えば、ツイッターで「大学中退したからバイト始めました~」などの書き込みをやってしまっていたり、大学に通っているはずなのにフルタイムでアルバイトをしているような書き込みがあれば、会社側に怪しまれるので、その点にも気を配る必要があります。
一部、他のサイトでは「源泉徴収や雇用保険関係で学歴がバレることがある」と書いているものもありますが、これは「職歴」の詐称の話であって、「学歴」の話ではあり得ません。
「履歴書に大学中退歴を書かないで良い」とハローワークの相談員がアドバイスする場合も
私自身、これまで色んな就職支援機関に相談してきましたが、ハローワークの相談員によっては、「大学中退歴を書かなくても大丈夫」とアドバイスされる方もいらっしゃいました。
上のケースは、最終学歴を高く見せる(大学中退を大卒に変える)ことではなく、大学には通っていなかったことにして、最終学歴を高卒と低く見せるケースのみです。特に、大学1年で大学中退してしまって、高校卒業から数か月しか経っていない場合に有効と考えられます。
履歴書に「大学中退」ではなく「大卒」と書くとどうなる?
最終学歴を就活時に高く見せる場合、例えば、履歴書に「大学中退」ではなく、「大卒」と書いて詐称するとどうなるのでしょうか?
これも、最終学歴を低く見せる時同様、履歴書に「大卒」と書いても新卒採用ではない限り会社にバレることは少ないです。確かに「大学中退」よりは「大卒」と書いた方が、応募できる求人の幅も広がりますし、給与の待遇等もアップするので就職にはかなり有利になりますが、「大卒」と書いた場合は大きなリスクがあります。
特に、求人票に「大卒以上可」と書いてある場合は、学歴を採用判断の基準にしている会社と言えるので、大学中退しているのに「大卒」と履歴書に書いて採用されて、後々嘘がバレると、懲戒解雇(クビ)になるだけではなく、これまでの大卒と高卒の給与の差額を遡って請求される可能性もあります。
「学歴不問」や「高卒以上」の求人であればほとんどバレないから、「大卒」と書いて就活する方も中にはいますが、過去に遡って給与の差額を請求された時に払えないと、個人で負債(借金)を抱えることにもなり得ます。
大学を1年で中退したのに2年で辞めたことにするのは学歴詐称でバレる?
1年のニート期間を埋めるための1つの方法として考えたのは、「大学を1年で中退したことにはせず、2年次に辞めたことにして空白期間を無くす」というアイディア。
ただ、当時は「内定が決まったら、大学中退証明書みたいな書類の提出を求められたらどうしよう…」と怖く、不安だったので、実行には移しませんでしたが、実際に就職先が決まった際に大学中退証明書の提出を求められることは一度もありませんでした。
大学中退したことを履歴書に書かないで、その間アルバイトをしていたことにするのはアリ?
大学中退という経歴を持っていると「続かない人なんだな…」というマイナスイメージを持たれてしまうことが多いので、できれば大学中退歴を履歴書に書かないで進めたい気持ちは痛い程わかります。
ただ、アルバイトや派遣の仕事をやってもいないのに、履歴書では高校卒業後に働いていたことにして大学中退という経歴を隠した場合、これは「学歴」というよりは「職歴」の詐称になるので、就職後に大学中退していたことがバレる可能性があります。
バレる経緯についてですが、就職後に雇用保険や給与の支払い関係書類、源泉徴収票の提出などが会社の経理担当から求められますが、特に給与支払い関係の書類として、前年度や今年度の所得に関して調べられることがほとんどです。
その理由として、今の法律では会社が従業員に代わって住民税を収めることになっていて、住民税は前年度の所得(年収)によって税率が変わるので、働いていないのに働いていたことにしていると、経理処理している時に「あれ?働いていたはずなのに、住民税がこんなに低い…」とバレてしまう可能性があります。
また、年末調整といって、毎年11月~12月辺りに会社から「年末調整が必要だから、前に働いていたバイト先から源泉徴収票をもらってきてください」とお願いされます。この時、働いてもいないバイト先から源泉徴収票なんてもらうことはできないので、ここでも会社に働いていないことがバレることが考えられます。
履歴書に「大学中退」と書かない方が良いケースとは?
これまで、大学中退歴を書かない場合を中心に話を進めてきましたが、その時の状況や中退理由によっては大学中退歴を書いた方が良いケースや、「この場合は書かない方が就職しやすい」という書かない方が良いケースの両方が存在します。
大学中退歴を書かない方が良いケースとは?
大学中退した場合、基本的には中退歴を履歴書に書かないとダメですが、中退したことを書かない方が書類選考で通りやすいというケースも考えられます。
☑ 大学を1年未満で中退して、その後違う大学に通い卒業した場合
☑ 大学中退後アルバイトや派遣の転職回数が多い場合
大学中退歴を書いた方が良いケースとは?
上記以外のケースで、逆に大学に2年以上通っている場合は、「高校卒業後のこの期間は何していたの?」と突っ込まれるので、大学を超短期で中退していない以外は、大学中退歴を正直に履歴書に書いて、しっかり中退理由を考えていく、という書き方の方が面接時に突っ込まれにくくなって、結果として受かりやすくなります。
大学中退の正しい履歴書の書き方
(2) 「〇〇大学 中途退学」と書くのが基本
(3) 中退理由は「〇〇大学 中途退学」の横に書き込む
<学歴>
平成27年3月 〇〇中学校 卒業
平成27年4月 △△高等学校 入学
平成30年3月 △△高等学校 卒業
平成30年4月 ◆◆大学 △△学部 入学
令和1年12月 ◆◆大学 △△学部 中途退学「経済的な事情のため退学」
履歴書の書き始めは中学校卒業時から書き入れるのが一般的です。ただし、高校入学時から書き入れても大きな問題にはなりません。例えば、地域的に評判の悪い中学校であったりした場合などは高校入学時から書き入れる等の工夫は必要になります。
中退理由に関しては、書きたくない場合は履歴書に書く必要はありません。しかし、健康上の理由や経済的な理由、家庭内の事情等の「やむを得ない事情」である場合は、書き入れることをお勧めします。
履歴書の志望動機の書き方
履歴書の志望動機欄については、「何も書くことがない…」と悩む方がほとんどですが、志望動機が全く思いつかないとしても、必ず絞り出して書くようにした方が良いです。
というのも、大学中退という経歴があると、学歴的にはマイナスということには変わりありません。かといって、職歴もせいぜいアルバイトくらいなので、職歴的にもプラスになる働くことはありません。とはいえ、こんなボロボロの状態でも雇ってくれる企業が多数存在します。
その理由は「人柄重視で採用しているから」です。もちろん履歴書だけではその人の人柄を判断することはできませんが、唯一繋がりがあるとすれば、志望動機や自己PR欄だけ。
志望動機から読み取れる情報として、「どんな考え方を持っているのか?」「この人の仕事のやりがいとは?」「どんなことに情熱を持っている人なのか?」など、志望動機にはこれだけの要素が詰まっています。
志望動機もただ書けばいいということではなく、これから応募する職種や業種の特徴に繋げる必要があります。例えば、私のように事務系(秘書)で応募するのであれば、「事務職に求められるスキルはどんな部分だろう?」と考えて、その必要とされるスキルと自分の好きなこと・興味のあることを無理やり繋げて志望動機を作っていきます。なので、過去に輝かしい経歴や職歴がなくても志望動機は書けるもの。
私は、小さい頃からサプライズで人を喜ばせたり、学校の部活動等でマネージャーとして選手を下支えしたりすることが好きだったので、事務系の応募する際の志望動機としては、
私は小さい頃から家族や友人の誕生日等にサプライズパーティーやプレゼントを準備して、人を喜ばせたり感動させたりすることが大好きで、また、高校時代に部活のマネージャーとして選手を下支えするという経験を通して、環境作りの大切さを学びました。御社のように〇〇のサービス(商品)を扱っていて、見えない所で私たちの生活に貢献している御社の事業に共感し、私も縁の下の力持ちとして周りで一緒に働く方がより快適に効率よく仕事に打ち込めるような環境作りをしたいと考え、応募致しました。
このような書き方であれば、唯一無二の志望動機になりますし、マニュアル本には載っていないような書き方なので、面接官にもより伝わりやすいのかなと、個人的には考えています。
実際に、面接官が知りたいポイントというのは、「その人の人柄」という部分が一番なので、「自分の経歴は凄いんだぞ!」とアピールするよりは、一つ過去のエピソードを拾ってきて志望動機にくっつけた方が、より温かみのある志望動機になります。
大学在学時のアルバイト歴は履歴書に書くべき?
一般的に「正社員など社員以上の職歴で無ければ、履歴書の職歴欄には書けない」と言われていますが、大学中退すると大学在学中のアルバイト歴を除いては「職歴」なんてあるはずがありません。
私はこれまでに、色んなプロの就職支援員と相談してきましたが、結論から言うと、大学中退から就活する場合、大学在学時のアルバイト歴は履歴書に書いた方が確実に良いです。
一般的に言われる「正社員以上しか職歴欄に書けない」という論は、転職者の履歴書の書き方であって、大学中退者の履歴書の書き方には当てはまりません。もっと正確に言うと、履歴書の書き方に決まりはないので、その人の経歴に合った履歴書の書き方で問題ありません。
就職面接では、「この人の働き方はどうなの?」という部分が重視されるので、非正規のアルバイトといっても、面接官にとっては立派な情報源になります。大学在学中にアルバイト歴があるのであれば、勤務中に学んだことやバイト先に貢献できたことなどを書き出して、しっかり自己PRできれば、就職成功率は格段にUPします。
【履歴書の選び方】新卒用と転職者用どっちのフォーマットを選ぶべき?
どの履歴書(フォーマット)を使うべきかどうかは特に定めはありませんが、正社員就職で利用する履歴書に関しては、間違ってもパート・バイト用の履歴書を使ってはいけません。
正社員の就職に使う履歴書であれば、主に新卒者用と転職者用の2種類がありますが、面接でアピールしたいことによって履歴書のフォーマットは使い分けるようにしましょう。
もし、大学時代の学業や研究成果、資格取得などをアピールしたいのであれば、新卒者用の履歴書を使うのがオススメです。理由は、新卒者用の履歴書の方が「ゼミの研究」や「得意な学科」、「サークルや部活での取り組み」などの項目が設けられていることが多いので、専門学校在学中にアピールしたいことがあるなら新卒用の履歴書を選ぶべきです。
逆に、大学在学中に特にアピールポイントがない場合は転職者用のフォーマットを選んだ方がいいでしょう。転職者用のフォーマットの特徴として学歴・職歴欄が多めに設けられていて、「資格・免許」「志望動機」「自己PR」などの必要最低限の項目があるだけなので、比較的新卒用の履歴書フォーマットよりは書きやすいはずです。
履歴書に大学中退理由を書かないのはもったいない!!
色んな就活サイトには「大学中退理由の状況によって書く・書かないを判断しましょう」と書いてありますが、私の経験上、中退理由はできるだけ履歴書に書いておいた方が面接では有利だと考えています。
履歴書の学歴欄に「〇〇大学 △△学部 中途退学」と書くと、面接では必ずといっていいほどその中退理由を聞かれます。実は、面接官がその中退理由に納得してくれると、そこまで深くは掘り下げて中退理由をほじくられることはありません。
面接官が納得してくれる中退理由のポイントとしては、「やむを得ない事情」であることが大切です。なので、自分の中退理由がマイナスな理由であったとしても、無理やり「やむを得ない事情」に寄せて、前もって履歴書に中退理由を書いておけば、面接になっても、中退理由は触れられる程度で突っ込まれない場合が多いように感じます。
逆に、少し複雑な家庭の事情が入っているので、他人に言うのは気が進まないという理由で、中退理由を書かない場合、面接では、書いた場合と比べてガンガン突っ込まれる可能性が高いので、できるだけ中退理由は書いた方が面接でも受かりやすいのかなと、経験上、そう感じました。
大学中退理由を履歴書にどう書く?面接でマイナス評価にならない退学理由
面接でもマイナス評価になりにくい、大学中退理由の書き方があります。大事なポイントは2点、
「面接官がその中退理由に対して納得するかどうか」
「面接で中退理由に関してツッコまれにくい書き方かどうか」
他の履歴書サイトなどでは、中退理由を「一身上の都合」と書くことをおすすめしているサイトもありますが、私は「一身上の都合」と書くのはオススメしません。なぜなら、「一身上の都合」という書き方自体、面接では必ず「どういう都合なの?」「本当にやむを得ない事情だったの?」という視点で、掘り下げて聞かれる場合も少なくありません。
また、面接官によっては「一身上の都合」という中退理由に対して、「自分勝手なのかな」「自分の都合を優先するのかな」と勘ぐる面接官もいるので、できるだけ中退理由は誰にでも分かりやすく、尚且つ、「やむを得ない事情」であることが大切です。
「やむを得ない事情」で最も書きやすいのが、「経済的な事情」と「健康的な事情」、そして「家庭的な事情」の3つです。
(1) 経済的な事情
親の会社の倒産や、親の離婚等によって、継続して学費を払い続けることが困難になって、大学を中退する人は少なくありません。中退理由が「経済的な事情」であれば、面接でもそれほど突っ込まれることはありません。大学中退理由として使われるのは、「経済的な事情」が最も多いと感じます。
(2) 健康的な事情
病気や怪我などの健康上の理由で専門学校の中退を余儀なくされた場合、完治した場合や再発の恐れがない時は積極的に書き入れるようにしましょう。まだ完治しておらず、再発の恐れがある場合は、就職面接で不利になったり書類選考に通らない確率が高くなるので、中退理由を書かない方がいいでしょう。特にうつ病などのメンタル系の病気であれば書き入れない方が無難と言えます。
病気や怪我が完治している場合は「現在は完治しており勤務には支障なし」の一行は書き入れるようにしましょう。
(3) 家庭的な事情
家庭の事情で、親や祖父母の介護が急に必要になったり、親の家業の業績悪化のため手伝わないといけなくなったりなどで大学中退を余儀なくされるケースもあります。ただ、履歴書に「家庭の事情」と書いても、面接官的には納得もできないですし、面接では必ず突っ込まれるので、中退理由に「家庭の事情」とは書かずに、「親の介護のため」など具体的な理由を書くことをおすすめします。
注意点としては、介護や家業の手伝いが理由だった場合、今後も突発的に必要となると判断されると採用されにくいので、面接時には「今後は必要なくなる根拠」を提示する必要があります。
例えば、「兄妹が親の介護をすることになったので今後は途中で会社を辞めるといった心配はありません」など、面接で根拠を持ってしっかり説明できれば問題ありません。
履歴書に書かない方が良い中退理由とは?
「単位が足りなかった」
「勉強に対する興味がなくなった」
「人間関係で問題があった」
「ゼミの教授とソリが合わなかった」
実際、中退理由と言っても、上のような理由が本音だったりしますが、こういった中退理由はマイナスな印象を持たれるので、間違っても履歴書に書かない方がいいでしょう。
大学中退予定の場合、履歴書にどう書くの?
ほとんどの方が、大学中退後に就活を始める方が多いですが、一番良いのは、大学中退前に就活を始めて、第一希望の企業から内定をもらった段階で、中退の手続きをしていくのがベストな流れです。
このように、現在大学在学中で、就職後に中退する予定の場合、履歴書の書き方は以下のようになります。
※経済的な事情により退学(予定)
中退予定の場合は、大学に在学中であることを面接官に知らせるためにも「予定」というのは記入しておいた方が良いです。注意点としては、「令和1年7月」などの日付については、現在より1ヵ月先の中退予定の月を記載しておくことをおすすめします。
大学中退者の就活は、中途採用枠を狙う既卒の就活になるので、すぐにでも働いてくれる人を優先的に企業も採用します。なので、中退予定が3か月も4か月も先だと、中途採用枠では内定を取ることができません。中退予定月は、現在より1ヵ月後に設定しておくといいでしょう。
高認(高等学校卒業程度認定試験)に合格している場合は?
国家試験「高等学校卒業程度認定試験(高認)」「大学入学資格検定(大検)」のいずれかに合格している場合、高校を卒業していなくても「高卒」と同等の学力があると見なされます。履歴書の学歴欄のほか、資格欄にも書いておくといいでしょう。
大学中退者の中には、高校を中退していて「高認(高等学校卒業程度認定試験)」または「大検(大学入学資格検定)」を取ってから大学に入学されている方もいます。こういった場合、高校を卒業していなくても、高認を取っていれば「高卒」と同じ学力を持っているとみなされます。ただ、「高認」は学歴というよりは資格になるので、履歴書にどう書けばいいのか悩む所です。
正しい履歴書の書き方としては、履歴書の学歴欄にも資格欄にも両方、「高等学校卒業程度認定試験(高認)」に合格したことを以下のように記載しておきましょう。
<学歴>
平成27年3月 △△中学校 卒業
平成27年4月 △△高等学校 普通科 入学
平成29年3月 △△高等学校 普通科 中途退学
平成29年9月 高等学校卒業程度認定試験合格
平成31年4月 △△大学 文学部 入学
令和1年12月 △△大学 文学部 中途退学
<資格・免許等>
平成29年9月 高等学校卒業程度認定試験合格
平成30年2月 普通自動車運転免許 取得
高認を取って大学進学後に中退した場合は、高校も大学も両方卒業していないことになるので、最終学歴は「中卒」になってしまいます。とはいえ、大学に進学したという事実を評価して、「専門卒・短大卒程度」という扱いをしてくれる企業も中には存在します。
大学に進学したという実績を加味して、「専門卒・短大卒扱い」の待遇を交渉してくれるのは、就職サイトなどではやってくれませんが、「就職Shop」などの就職エージェントを利用すれば、そういった交渉をしてくれるので、中卒扱いの求人を探さなくても、より条件のよい会社に就職できる可能性もあります。
浪人・留年は履歴書に書くべき?
中退歴の書き方と同じく、浪人や留年歴がある場合、書き方に困ってしまうはず。
結論から言うと、浪人歴について履歴書で触れる必要はありません。というより浪人したことには触れない方が良いです。予備校に通っていたとしても、予備校通学期間について書く必要はなありません。なぜなら、予備校は学歴として認められない場合もあるからです。
また、留年歴についても履歴書で触れる必要はありません。大学中退前に1留や2留が確定して中退を決める人も少なくありませんが、履歴書には入学月と中途退学した月を書くだけで大丈夫です。
大学休学→復学→休学→中退という経歴の場合、履歴書に正直に書くべき?
うつ病などの精神的な面で大学を休学して、状態が良くなり復学、通学し始めるとまた再発してしまい休学、そして中退するという相談者さんも過去にはいらっしゃいました。
こういった場合、履歴書を書く場合、全部正直に書いた方がいいのか、それとも、「大学入学→中退」だけでいいのか、迷う所です。
休学・復学を繰り返した場合でも、自分に都合の悪いことをわざわざ馬鹿正直に必要はありません。この場合はシンプルに「大学入学→中退」の経歴だけを記入して、休学・復学を繰り返していたことは隠しておいて問題ありません。逆に書いてしまうと、書類選考ではほとんど通らなくなってしまう可能性が高く、またうつ病などが原因の場合は、面接でも落とされてしまいます。
まとめ
大学中退歴がある場合の、失敗しない履歴書の書き方についてご紹介してきましたが、私の失敗談も踏まえながら、できるだけ書類選考に通過しやすいノウハウをこのページに詰め込んだつもりです。
ただ、人それぞれで状況が微妙に違うので、一概には「この書き方がベスト!」ということはできません。学歴や経歴についての書き方は、これまでご紹介したことを参考にしていただければ、ほぼ問題ないと思いますが、志望動機や自己PRについては、ハローワークや就職エージェントの相談員に添削してもらった方がはるかに書類通過率は高くなります。
就職エージェントの中には、「就職Shop」や「DYM就職」といったエージェントであれば、書類選考なしで面接のステップに進めるので、履歴書や職務経歴書で合否が判断されることなく、また、就職成功率も平均で80~90%と高いので、より効率的に就活を進める上でも相談してみることを強くお勧めします。
→私が就職Shopに行ってきた本音の体験談
大学中退歴があって、本気で正社員の就職を目指す場合、周りの友人のように新卒生向けの就活をマネしてやっても上手くいきません。また、転職者向けの転職サイトなどを使っても、書類や面接で落とされるだけで時間とお金の無駄になってしまうので、中退者向けの就職エージェントを利用した方が、私の経験上、最も就職成功率が高い方法だと感じました。
