就職浪人は新卒扱い?既卒3年以内でも中途採用を狙った方が良いワケとは?
既卒の私でも就職できた方法とは?
大学を未就職で卒業してしまうと就職浪人と呼ばれます。就職浪人で就活する場合、新卒扱いで新卒採用を狙うべきか、それとも既卒として中途採用を狙うべきか迷ってしまいます。
しかし、就職浪人が新卒扱いで就活を続けると失敗する可能性も高く、どのように就活すべきか検討する必要があります。
このページでは、就職浪人から就活する場合、新卒採用と中途採用どちらを狙うべきかについて解説していきます。
就職浪人が新卒扱いされるのは既卒3年以内まで
新卒とは「新規卒業者」の略称ですが、大学を卒業すると「既卒」と呼ばれます。大学を未就職で卒業して卒業後も就活を続ける就活生を「就職浪人」と呼びますが、就職浪人が就活する場合、卒業して3年以内であれば新卒扱いとして新卒者用の求人に応募することができます。
就職浪人が新卒扱いされるのは既卒3年以内ですが、そもそもこのルールが開始されたのは2012年春採用からです。今では新卒者の内定率は98%と過去最高を更新し続けていますが、当時は大不況で新卒で就職することが困難だったために、未就職で卒業する人が急増しました。
こういった背景があり、政府が「高校・大学を卒業して3年以内であれば”新卒扱い”とする」という指針を打ち出しました。それから現在まで「就職浪人は既卒3年以内であれば新卒扱い」という制度が引き継がれています。
就職浪人が新卒扱いで新卒採用される確率は低い
就職浪人でも既卒3年以内であれば新卒扱いで新卒枠の求人に応募できますが、実際に新卒採用される確率はどうでしょうか?
厚生労働省が2015年に行った調査によると、既卒3年以内の就職浪人生の応募を受け入れている企業でも、実際に内定を出していない企業が8割以上という結果に。
年々、既卒3年以内の就職浪人を新卒扱いとして受け入れる企業数は伸びていますが、企業が就職浪人に対して持つイメージは良いとは言えません。
就職浪人を新卒採用しない企業の本当の意図
人事が考える、就職浪人を新卒扱いとして新卒採用しない理由は3つあります。
「新卒時に就職できなかったということは、何かしらの問題がありそう」
「新卒の時にすぐ就職しなかったのは、仕事に対する意欲、モチベーションが低かったから」
「社会から離れていた分の遅れを取り戻せるのか、期待するレベルまで成長できるのか」
既卒3年以内の就職浪人に対して応募を受け入れてはいるけど、実際は以上のようなイメージが先行してしまうので、新卒採用に踏み切れていないという事ができます。
新卒扱いとして応募しても、就職浪人は新卒者と比べられてしまい、どうしても不利になります。特別なスキルや留学などの経験がない限りは新卒採用で内定をもらうのは難しいのです。
就職浪人が新卒扱いとして採用されるケースとは?
就職浪人が新卒扱いとして採用されるケースもあります。まだまだ多い事例ではありませんが、以下のケースに当てはまる場合の採用があるようです。
☑ 大学在学中にやむを得ない事情(病気、怪我、親の介護等)で就活できなかった
☑ 名門大学(早慶、旧帝大など)を卒業している
留学などの積極的な経験を良しとする企業も少なくないようです。また、病気や親の介護等のやむを得ない事情で就活できなかった場合も、企業としては新卒採用に踏み切る理由になることもあります。
就職浪人は新卒と既卒どっちで求人を探すべき?
就活していると、新卒者向けの求人票に「既卒応募可」と書いてあるのをよく目にすることがあると思います。逆に既卒者向けの求人はほとんど中途採用の求人なので、新卒者向けの求人に見られないような求人が多いです。
新卒用で求人を探すと「既卒応募可」という補足項目がついていない限りは応募することはできません。大抵、既卒応募可能と書かれている求人には「既卒2年以内」「既卒3年以内」などの記載があります。既卒可と書かれてあれば、新卒枠での応募が可能という意味合いになるので、注意してみるようにしてください。
とはいえ、これまでご紹介してきたように、新卒扱いで応募はできるものの新卒採用で内定をもらえる確率は決して高くありません。新卒扱いで応募する求人の方が中途採用よりも魅力的な求人があるのも確かですが、リスクを考えると新卒枠で求人を探すだけではなく、既卒の中途採用でも求人を探した方がいいでしょう。
新卒枠にこだわって就活して上手くいかなかった場合、就職浪人の期間が1年、2年と長くなってしまうのは絶対に避けるべきです。
就職浪人は新卒採用よりも中途で内定をもらう人の方が多い
就職浪人していると、超売り手市場と言われているのにも関わらず、内定がなかなかもらえなくて苦しい思いをしている就活生は数多くいます。
その理由は、既卒3年以内の応募可能の新卒枠の求人を狙って、内定が出ないケースが多いから。では、就職浪人経験者はどのようにして内定をもらっているのでしょうか。実は、最近は中途採用で内定をもらう人は多くいます。
中途採用と聞くと、実務経験のある転職者の就活を思い浮かべると思いますが、未経験で職歴がなくても中途で採用する企業も数多く存在します。
中途採用で未経験者を採用する場合でも、研修をしっかりするので、新卒採用でなくても社会人としてスムーズに新生活をスタートさせることができます。
正社員未経験だからといって、既卒枠の中途採用を毛嫌いしていると損です。既卒として就活した方が、新卒で就活するよりも希望していた企業に就職できることもあります。特に営業、販売、IT系、商社、トップベンチャー企業、事務職、秘書などの職種は既卒で求人を探した方が良い求人が見つかりやすいのも事実です。
就職浪人が転職サイトを使っても上手くいかないワケ
就職浪人が就活している時によく遭遇する「あるある」ですが、どの転職サイトを使っても、前職の経歴や年収、勤務年数などを尋ねる項目が多く、正社員経験のない就職浪人にとっては使うことができません。アルバイトをしていたとしても職歴にはならないため、転職サイトに登録できないことがほとんどです。
転職サイトといえば、リクナビNEXTやマイナビ転職、doda、エン転職などの転職サイトが有名ですが、これらの転職サイトは正社員経験3年以上の転職希望者をターゲットにしているので、就職浪人生が利用しても使えないというのが裏事情です。
就職浪人だと新卒用の就職サイトも使えない
これも就職浪人経験者の「あるある」ですが、リクナビやマイナビ等の新卒メインの就職サイトを利用しても、書類選考に通ることは稀で、面接まで行けたとしても落とされる確率が高いという点です。
確かに、リクナビやマイナビなどの就職サイトは人気の職種や魅力的な求人も多く、希望する求人を見つけるためには大変便利なサイトと言えます。しかし、就職浪人という既卒である以上、新卒者と比べられてしまい落とされる確率が高くなります。新卒用の就職サイトも就職浪人にとっては役に立たないというのが現状です。
就職浪人はハローワークを使うべき?
就職サイトも転職サイトも使えないとなると、就職浪人(既卒)はどのように就活すればいいのでしょうか?
就職浪人は、大学の就職支援を受けることはできないので、通常はハローワークを利用して就活をすることになります。既卒3年以内であれば、ハローワークに新設された「新卒応援ハローワーク」という個別で就職支援をしてもらえるサービスを利用できます。
新卒応援ハローワークでは、個別の担当者がついて、応募書類の添削や面接対策をしてくれるだけではなく、ビジネスマナーや就職説明会、就職セミナーなどにも無料で参加できるので、就職浪人であれば利用するべき就職支援機関と言えます。
ただし、ハローワークは公的な就職支援機関なので、求人選びの際は、全て自分で選ばなければいけません。ハローワークの相談員から「この求人が合ってると思います」という助言は公平性を保つためにも、そういったアドバイスができないことになっています。
また、ハローワークの求人は企業が無料で求人掲載できるために、ブラック企業の求人が含まれていることが多いです。私が実際にハローワークで求人を探していても「これはあり得ない」というような労働基準法に反する超ブラック求人も存在してました。
求人票に良いことだけ書いてあっても、「実際働いてみると条件と違う」といって短期離職する人も少なくありません。ハローワークで求人を探す際は、良い求人・悪い求人の見分け方のスキルをしっかり付ける必要があります。
就職浪人は転職エージェントを使った方が就職しやすい
就職浪人にとって一番最適な就活方法は、転職エージェントを使った就活です。転職エージェントは主に中途採用をメインにしたエージェントが多いですが、最近では、既卒や第二新卒といった就職浪人生向けの転職エージェントが増えてきました。
就職浪人用の転職エージェントは以下の8つが挙げられます。
私はこれらすべての転職エージェントを利用してきましたが、一番良かったのは「就職Shop」です。カウンセラーも親身に話を聞いてくれて、最も求人に対する理解力やマッチング能力が高いと感じました。
また、職種や求人数も他の転職エージェントと比べると断トツで多く、事務職の求人や、私が就職できた秘書の求人も紹介してもらうことができました。
就職浪人が就活する場合は、新卒応援ハローワークと転職エージェントを合わせて利用した方が就職しやすいです。