【40代で介護ケアマネに】俳優を目指した40年間で出逢った最高の転職
ニートの私でも就職できた方法とは?
私は50歳手前の男性で、現在介護のケアマネージャーをしております。過去に6か月の無職期間があります。
付けつけられた現実、俳優、正社員未経験
大学を卒業後上京し、20年近くアルバイトをしながら演劇活動を続けてきました。
俳優として「いけるかな?」と思った場面もありましたが、鳴かず飛ばずの状態のまま結婚し、子供までできてしまい、そろそろ落ち着いたほうがいいのかなと考えていました。
当時は、少しでも安定したものをと、製造業で派遣社員として働いていましたが、タイミングが悪いことに「派遣切り」の嵐に遭遇してしまい、突如契約を切られる事態に。あわててハローワークに駆け込みましたが、私を待っていたのは、40歳という年齢と、正社員未経験という切ない現実でした。
精神的に最も追い込まれたハローワークでの出来事
演劇の経験は、普通の職探しには何の役にも立ちません。まして世の中が全面的に不況の状態で、遊んで暮らしてきたように見られるのがオチです。ハローワークの職員も困っているようで、私が求人情報から「これだ」と思うものを問い合わせても、「未経験だとちょっと」とお茶を濁すばかり。じゃあどうすればいいんですかと怒鳴りたくもなりましたが、危ない人だと思われても困るのでそこはぐっとこらえました。
当然のことですが、ハローワークというのは失業者の集まりです。運悪く失業した普通の人も大勢いましたが、中には年季の入った常連さんもおり、職員に対して声を荒げて不満をぶちまけたりします。
職探しの渦中で自分がそんな人たちと同じ立ち位置にいると思うと、本当に情けなくなりました。自分の40年間が否定されるような気持ち、何の役にも立たないことを思い知らされる気持ち。失業経験の中で一番つらかった場面です。
一方、幸いなことに妻は理解があり、私の失業を責めることもなく前向きに声をかけてくれました。私も暇な時間はできる限り家事をやり、失業中の邪魔な亭主にならないよう頑張りました。失業期間は半年に及び、精神的にはつらい時期でしたが、妻と子供のおかげで何とか乗り切れたのだと思います。
ウェルカムな雰囲気の介護業界、「役に立っている」喜び
結局未経験で始められる職種は限られると悟った私は、以前から漠然と興味があり、慢性的な人手不足で求人の多い介護業界に狙いを定めます。ハローワークで相談すると、「チャレンジ介護」というシステムがあり、申請するとホームヘルパー二級の資格取得に補助金が出るとのこと。
早速申請し、同時に就職先を探し始めた私は、まもなく特別養護老人ホームを経営する社会福祉法人から内定をいただくことになりました。ほかの業種では門前払いに近い形ではねのけられた私でしたが、介護業界は門戸が広く、ウェルカムな雰囲気にほっとしたのを覚えています。自分なりに必死でプロフィールを作成し、法人の施設を見学して謝礼と感想を手紙で送るなど、自分の気持ちが積極的にシフトしたことが成功への要因だったかと思います。
現在50歳目前の私ですが、無事介護業界に籍を置き、介護福祉士、ケアマネージャーの資格を取って、何とか生活できています。給料は多職種に比べて低い業界ですが、やはり「役に立っている」という面の満足度は高く、人より遅い就職活動も成功だったのかなと自画自賛しています。
「未経験を楽しむ気持ち」が人生を豊かにする
停滞している自分から一歩踏み出すのは大変です。周りから何の役にも立たないと思われているんじゃないか、疑心暗鬼の状態で生きるのはとてもつらいことです。
でも、少し見方を変えたところ、新たな局面に半歩踏み出す勇気があれば、そこには知らない世界が広がっています。何歳だって同じです。未経験を楽しむ気持ちが人生を豊かにしてくれることを実感しています。
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