ニートが就職エージェントを使って感じたメリット・デメリット
ニートの私でも就職できた方法とは?
ニートになってしまうきっかけは人それぞれ違います。例えば大学を中退した後、就職活動が上手くいかずに落ち込み、そのまま引きこもりがちになるなど、就活を諦めてしまう人も少なくありません。
ハローワークや求人サイト、就職エージェントなど多くの就職支援サービスがあるからそもそもどの就職サービスを活用していいかもわからず、諦めモードになっているのであれば危険サインです。このままだと本当に就職できずに手遅れになってしまいます。
このページでは、ニートの就職支援場所としてどういう支援サービスがあるのか、ニートから就職するにはハローワークと就職エージェントを比べた時にどっちを利用すべきかなど、私の経験を踏まえてご紹介します。
ニートからの就職は不利なの?
経験則からいうと、リクナビやマイナビなどの就職サイトを使った就職は不利に働きます。これらの就職サイトは新卒生用に作られているので、求人に応募しても空白期間がある時点で新卒扱いされず、書類選考で落とされることがほとんど。
また、リクナビNEXTが行った調査によると、既卒でニート・フリーター期間が長くなればなるほど、正社員への就職率が落ちていくという調査結果があります。下のグラフにもあるように、ニート・フリーター歴が1年以上あると女性の場合、就職率が42.9%と約半分以下になってしまいます。

ニートから就職できないの?
ニートからの就職は不利ですが、就職できない訳ではありません。ほとんどのニート経験者が「ニートから就職できない」と勘違いしているため、就活に打ち込めず、ニート期間が長くなってしまい抜け出せないことが多いです。
一人で誰にも就職相談せずに就職活動していたり、ニート期間があるのに就職サイトを活用した就活をしていると、本当に「就職できない人」になってしまいます。ニートから本気で正社員への就職を目指すのであれば、就職のプロに相談したり、就職支援サービスを活用した方が近道です。
ニートが就職エージェントを使って感じたメリット・デメリット
10社以上も使ってみればどの就職エージェントが良いのかの判断もできますし、悪い点も見えてきます。利用する就職エージェント毎でメリット・デメリットが違いました。
就職エージェントのメリット
就職エージェントを利用する一番のメリットは、マッチングサービスがあるので、プロの目線で自分に合った求人を紹介してくれる所です。そのため就職するまでのスピードがかなり早いです。また、就職エージェントは、1社1社それぞれの強みがあります。
例えば、就職エージェントによって、IT業界を専門としていたり、外資系の職種に強いといった具合で、それぞれ専門性を持っている場合が多いです。自分に合った就職エージェントを見つけることができれば、その分効率よく就活を進めることができます。
就職エージェントのほとんどが、個別の担当制で相談できます。相談員と合わない場合は、変えてもらうこともできますし、基本的に無料です。就職エージェントの中でも持っている良さやデメリットは違うので、就職エージェントを2,3組み合わせて利用した方が良い会社に就職できる可能性は高いです。
また、ブラック企業の求人も少ないです。転職エージェントの業界は、ミスマッチのクレームが多くなればなるほど、ダメージは大きく、ブラック求人を多く紹介しているような就職エージェントはすぐに潰れます。今はSNSですべて口コミや評判が発信される時代ですからね。なので、エージェントもブラック企業を利用者に繋げないように細心の注意を払って提携しているという裏事情があります。
就職エージェントのデメリット
就職エージェントで質の悪いエージェントを利用した場合、初回面談で利用者の要望を聞いてすぐに「それだったら、この会社とこの会社がオススメですね」という感じで、結果を焦って求人を紹介することもあります。
マッチングサービスがあるからこそのデメリットでもありますが、ハローワークのように時間をかけて自己分析を行って、求人選びも時間を使って自分に合ったペースでやりたいという人にとっては、就活のスピードが早すぎると感じるということです。
転職エージェントのもう一つのデメリットが、エージェントが地方に少ないことです。名の知れた転職エージェントであればある程度安心して利用することができますが、名の知れた転職エージェントは関東や関西に密集していることも多いので、利用の面では使いにくいという側面があります。
ニート専門の就職エージェントをまとめてそれぞれの特徴を解説
ニート経験がある場合は、就職活動はハローワークと就職エージェントを両方活用して進めていく方が就職しやすいです。尚且つ、希望に合った良い会社に就職しやすいです。
しかし、ハローワークもすでに利用していて、なかなか仕事探しが上手くいかなかったり、面接も受からなかったりで悩んでいるのであれば、就職エージェントを利用した方が一番早く就職できます。
ニート専門の就職エージェントが出てきたのは最近
2010~2013年までは就職氷河期と言われていて、学歴があっても就職しずらい時代でした。しかし今は、逆に「超売り手市場」と言われていて、かなり働き手が不足していて企業側も猫の手も借りたいほど人材が欲しいのです。
超売り手市場という時代なので、就職エージェントも趣向を変えてきていて、ニート・既卒・第二新卒・高卒・中退・フリーターなどを専門とした就職エージェントが出てきました。就職氷河期であれば、私のような高卒で大学も中退しているような既卒ニートが就職エージェントに登録しようもんなら、見向きもされていなかったでしょうが、今は違うのです。
ニートに合った就職エージェントとは?
全国には合計2万社という数の人材紹介会社が存在します。この中から自分に合った就職エージェントを選ぶのは困難です。特にニート経験がある場合、新卒者や中途転職者を専門とした就職エージェントを利用しないように注意が必要です。
ニート・中退・高卒・既卒・第二新卒・フリーターを専門とした就職エージェントは「就職Shop」「DYM就職」「第二新卒エージェントneo」「ジェイック(JAIC)」「いい就職.com(いい就職プラザ)」「ハタラクティブ」などが挙げられます。
現在では、コロナの影響でエージェントによっては求人数が激減している所もあるので注意が必要です。私の所に集まってきた情報だと、現時点(※2020年9月1日)ではDYM就職は未経験向けの求人数が激減しているので、あまりおすすめできません。
また、ハタラクティブは、実際に使ってみて、求人の質やサービスの質的に微妙だったので、ハタラクティブもあまりおすすめできません。
私が、色々利用してみた中で、最も良かった就職エージェントは「就職Shop」と「第二新卒エージェントneo」の2つで、もし東京でIT系求人に絞って就活したいということであれば、「プログラマカレッジ」も良かったです。
私は、全ての就職エージェントについて調べましたし、比較もして、実際に利用してきました。その中で、ほぼほぼ書類選考なしの求人を紹介してくれるのは、就職Shop、第二新卒エージェントneo、DYM就職、ジェイックの4つですが、一番良かったのは就職Shopでした。
最初は私も、「ニートでも就職しやすい求人を紹介されるのは嬉しいけど、そんな都合の良い会社なんてブラック企業でしょ」と思っていました。しかし実際フタを開けてみれば意外に有名な優良企業も多く存在していて、利用してみて求人の質が高い点が良かったです。
就職エージェントのスタッフも個人的に相性が合う合わないというのは必ずあります。1つだけに絞らず、最低でも2つは利用した方がいいです。
ニートが就職サイトを使って求人を探すのは本当に危険だから辞めた方がいい
ニート歴がある場合、就職サイトを使って就活を進めることはオススメできません。リクナビやマイナビ、リクナビNEXTやマイナビ転職、dodaなどの有名な就職サイトがありますが、履歴書に空白期間があるだけで、書類選考で落とされやすいです。登録さえもできないサイトもあります。
また、無料で求人を掲載できる就職サイトには、ブラック企業が含まれている可能性が高く、求人票も偽っていることも多いので、オススメできません。
ニートから本気で正社員を目指すのであれば、就職エージェントとハローワークを合わせて利用した方が、良い会社に就職できる可能性は高いのです。
ニートの就職にハローワークを使ってみた
ハローワークを実際に使ってみて感じたメリットとデメリットはどういうものがあるでしょうか?
ハローワークのメリット
ハローワークで就活するメリットは、ニート経験があって就職活動が初めてでも、全ての就職活動に必要なスキルを身につけられます。
就職活動を上手くいかせるためには、ある程度、自分自身の性格や好き嫌いを知って、どの業種に興味があるのか、どの仕事はやりたくないのかがハッキリしていないと、企業の面接で受かる可能性が低くなります。
その分、ハローワークでは個別で就職相談ができて、各ハローワークに必ず設置してある職業適性検査を無料で受けることができるので、自分に合った職種や会社はどういう所かを発見することができます。私も職業適性検査を受けましたが、自分では気づかない適性があって、これまで見向きもしなかった職種に目を向けられたのはメリットでした。
また、職業適性検査を受けた後は、ハローワークの相談員と話してフィードバックをもらった方がいいです。自分で職業検査シートを見て判断するよりも、就職相談員からフィードバックをもらった方が自分に対する理解度が増して、職業に対する向き不向きもわかってきます。
ハローワークでは、仕事探しに必要な最初のステップを時間をかけて踏むことができます。また、就職合同セミナーを定期的に開催してくれたり、履歴書の添削や面接練習などを支援してくれるので、就職に関する全てのサービスをハローワークで受けることができる所は良い点です。
また、ハローワークが抱えている求人数は、どの就職支援場所と比べても、圧倒的に多いです。理由は、企業がハローワークに求人を掲載するのは無料でできるので、その分求人数が多くなります。
ハローワークのデメリット
個人的には、ハローワークのサービスは満足いくものなのですが、少しスッキリしない部分もありました。このスッキリしない部分というのがデメリットになると思いますが、ハローワークは国が運営している機関なので、求人の紹介をしてくれません。ハローワークは公平性を保つためにも「あなたにはこの会社が合っていると思いますよ」といった求人紹介をやってはいけないのです。
もし国の機関が、数多くある企業の一つを利用者に紹介し始めたら、場合によっては、企業がハローワークの職員に裏金を渡して「自分の所に利用者を優先して紹介してくださいね」と犯罪に利用されることもありますよね。そのため、ハローワークの相談員は長年の経験から「この利用者だったらこの会社が合っているけどな」と思っていても紹介はできないのです。
その点、私が「この求人の中では、どの会社が私に合っていますかねぇ」と悩んでいた時も、「私たちの方からは、どの会社が良いということは言えないんです」という感じで返されたので、スッキリしない部分がありました。
ハローワークの求人は数が多いため、どの求人が良いのかわかりません。私のようなニート経験者にとっては、書類選考なしの会社が一番ありがたかったのですが、そういった求人も見つけにくかったです。ある程度、私でも応募できる求人に絞ってくれる機能があればよかったのですが、そういった機能がないので、自分で求人を探していくしかありません。
ハローワークのデメリットとして、ブラック求人を見分けるのが難しいということ。求人票をみてみると「フレンドリーでアットホームな雰囲気」「残業なしで労働環境は抜群!」「未経験でも大丈夫!」などと書かれていますが、よく見ると必要最低限の社会保険がついていなかったり、労働に見合った待遇でなかったりなどブラック求人が結構混ざっています。
もう一つハローワークのデメリットを挙げるとすれば、求人検索機の利用者が多く、混むという点です。私の利用していたハローワークは朝早くは比較的空いていましたが、お昼前辺りからかなり混み合って、並ぶ時間の方が多かったです。
ニートの就職支援場所【3選】
職歴なしで、ブランクがある場合、どういった就職支援場所があるのでしょうか。特に、大学中退者の場合、学歴としては高卒だけど、大卒扱いでもなく、かといってバイトを辞めたばかりなのでフリーターでもない。そんな宙ぶらりんな状態の時、転職活動をどこですればいいのか、困ってしまいます。
ハローワークは知っていると思いますが、他にどんな就職支援サービスがあるのでしょうか。ニートが正社員就職するための就職支援場所は主に3種類あります。
【就職支援場所その2】ハローワーク
【就職支援場所その3】就職エージェント
就職支援場所その1:ジョブカフェ
ジョブカフェとは、若者用に作られたカフェのように立ち寄りやすいハローワークと言った方がイメージはつきやすいと思います。ほとんどの都道府県にジョブカフェはありますが、個別のマンツーマンで就職に関する相談に乗ってくれたり、職業適性検査や自己分析、履歴書の添削や面接練習、パソコンを使って求人の検索などが一か所でできます。
ジョブカフェの強みは、ハローワークよりも地域性のある就職セミナーを多く開催しています。例えば、農業やロボット、モノづくり、子育てママに向けた就職セミナーなど数多くあって、オリジルの就職イベントがあるところは良い点です。
就職支援場所その2:ハローワーク
ハローワークは厚生労働省が管轄しているので、全国各地にありますし、仕事探しならまずハローワークで探し始める人が多いです。ジョブカフェと同じように、就職相談からセミナー、履歴書の添削、面接練習などすべての就活に関することが一か所でできてしまいます。
最近のハローワークは進化していて、学校を卒業して3年未満であれば「新卒応援ハローワーク」、卒業して既卒3年以上であれば「わかものハローワーク」というサービスがり、これらのサービスに申し込むと個別の担当制でマンツーマンで仕事探しを手伝ってくれます。
例えば、高卒で大学に入ったけど半年で大学を中退して現在21歳を迎えようとする20歳だとします。20歳であれば、高校卒業から3年未満なので「新卒応援ハローワーク」のサービスが受けることができます。しかし、21歳からは既卒3年以上になるので、「わかものハローワーク」の枠になります。
もし現在20歳で「新卒応援ハローワーク」に申し込めるようであれば急いだほうがいいです。「新卒応援ハローワーク」では、個別の担当制はもちろん、ネットには非公開の新卒枠での求人をこっそり紹介してくれます。21歳からは「わかものハローワーク」の枠になるので、注意が必要です。
ジョブカフェはどちらかというと、バイトも含めて働いた経験が全くなくて、仕事探しの右も左もわからないという場合はジョブカフェを勧められます。ハローワークも仕事探し初心者でも対応できるので、ジョブカフェかハローワークか迷っているのであればハローワークで問題ありません。
(3)就職支援場所その3:就職エージェント
ハローワークは国が運営している公共の就職支援場所でしたが、就職エージェントは民間会社が運営している就職支援場所という位置づけです。就職エージェントは民間企業という位置づけのため、ある程度は利益を生み出していかないといけません。
ほとんどの就職エージェントは無料で就職支援サービスを受けることができます。就職支援サービスの内容は、まず面談してどういう会社に就職したいのかというヒヤリングを行います。その後プロの視点で、どういった職種や求人が利用者に合っているかを分析して、求人を紹介してくれます。
ハローワークの場合、求人検索機を使って自分で求人を選ばなくてはいけません。求人数は無数にあるので、正直どの求人を選んでいいのか就活が止まってしまいます。しかし、就職エージェントはハローワークと違って求人を紹介してくれるので、求人選びは断トツで進めやすいです。
自分一人で考えるよりも、特にニート経験がある人にとってはプロに相談しながら就職活動を進めた方が効率的にも速度的にも早いです。
今振り返って思うのは、「もっと早く就職Shopを利用しておけばよかった…」と心の底からそう思います。
ニートの就職には勇気が必要
ニート期間が長くなってくると、自信を失い、社会に必要とされていない孤独感を感じてしまうので、就職への一歩が踏み出しにくいです。この就職への第一歩は最終的には勇気があるかどうか。失敗しても大丈夫です。怖くても勇気を出して行動しないと後悔します。就職はあなた自身の手でしかつかめません。
就職エージェントを利用するリスクはありませんが、このまま何もしないでブランクが長くなっていく方が就職できなくなっていくのでリスクです。まずは、相談する所から始めましょう。
まとめ
・ハローワークのメリットは職歴なしのニートでも就職に必要な就職支援を一か所でしてもらえる
・ハローワークのデメリットは求人の紹介をしてくれない、求人検索機が混み合う、ブラック求人が混ざっているの3つ
・就職エージェントのメリットはマッチングをしてくれるので就職スピードが早く、ホワイト企業への就職率も高い
・就職エージェントのデメリットは自分のペースで決めたい場合は、急かされている気持ちになる、利用拠点が少ない
・ニートでも利用できる就職エージェントは限られているので目的別に選ぶ必要がある
私も、経験してきましたが、正社員の就職活動は、何度も挫折も味わいましたし、面接も50社以上受けてきました。もっと早くこの方法を知っておけば、遠回りせずに済んで、尚且つもっと早く就職できただろうなと思います。
ニート経験がある場合は、必ず誰かの手を借りないとキツイです。逆に誰の手も借りないで、自分の力でネットを検索して情報を集めて就活しようとすると上手くいきません。
私は対面で相談し始めた時から就活が前に進んでいると感じることができました。ハローワークは就職初期段階で利用すると自己分析ができて、その職種や会社がいいのか絞っていくことができます。絞れた後は、ニートでも利用可能な就職エージェントを2つ以上利用した方がより早く就職することができます。
ハローワークと就職エージェント2つの就職サービスを上手く活用することが正社員への就職の近道です。できる範囲で焦らずに、ゆっくりで大丈夫なので、今できる所から始めていきましょう。